
不可はない。(トヨタ アクア試乗)
トヨタ アクアの試乗を行った。走行距離は412km。
試乗したモデルは、2021年発売の2代目アクア。2025年9月にフェイスリフトを行った後のモデルだ。
試乗した個体について
- 初度登録 2025年12月
- 走行距離 3241km
- グレード X
- タイヤ:トーヨータイヤ ナノエナジー J67(空気圧は既定値)
はじめに:大きな抜けのない車
プリウスが上級移行し大型化した結果、トヨタハイブリッドのメインストリームとなったアクア。1.5Lのハイブリッドユニットや、GA-Bプラットフォームはヤリスと一緒だが、後席が広く4人で普通に乗れる。
20系プリウスからの置き換え、さらに言えば日産ティーダからの買い替えにもベターなサイズ感で、国民車としての風格すら感じさせる。
試乗した印象は、可はあるが「不可はない」といったもの。モーターによる力強い加速を味わえて、燃費も良い。乗り心地も悪くなく、操舵安定性の面でも不安はない。
ADASは操舵がうまく、加減速も滑らか。安心して使える出来だった。
一方、試乗したXグレードは割り切りが感じられ、例えばダッシュボード上面が盛大に反射するなど、明確なマイナスポイントもあった。
高速道路:ADASの運転がうまい
高速道路での印象は、なんの問題もないというもの。トヨタ的な平均点の作りで、正直なところあまり言うことがない。
ただ、昔のトヨタ車と明確に違うのが、直進安定性にも操舵性にも問題を抱えていないこと。走らせて楽しいわけではないのだが、特に不満はなく、ステアリングインフォメーションもきちんとしている。
乗り心地の面では、ざらざらした感触があり、細かな路面の凹凸を拾う傾向はあったが、恐らくOEタイヤ(トーヨータイヤ ナノエナジー J67)が理由と思われる。100km/h走行時の車内の音圧は70.2dBだったが、タイヤを履き替えれば騒音面も乗り心地も変わりそうな印象があった。
特筆すべきは「Toyota Safety Sense」の進化。ヤリスクロス以来4年ぶりに使ったが、加減速、とくに前の車に追いついたときの減速の滑らかさに大幅な進化を感じた。
山坂道:問題はない。面白くはない
山坂道での印象についても、あまり話すことがない。記憶の中のヤリスよりは楽しくないが、それが問題になる類の車でもないだろう。
ハンドルを切った分だけ曲がるし、ちゃんと走って怖くない。目を三角にして振り回す車ではないが、その気になれば速く走れそうではある。
ちなみに、コーナーで右に左に雑に切り返したときに、リアアクスル全体が横に少しずれるような動きは、同じGA-Bプラットフォームのヤリスを思い起こさせた。
パワーの出方はTHS特有のもの。パワーモードにするとエンジンがうるさくなるが、若干速くなる気がする。ノーマルモードでもパワーに不満はない。楽しくはないけど、THSはこういうものだと思う。
燃費は32.46km/Lだった(412km走って12.69L給油)。この環境性能がTHSの真骨頂。エンジンのエモさは諦められる。
気になったこと:フロントガラスの映り込みがひどい
ダッシュボード上面がテカテカのハードプラスチックで、日差しの方向によってはフロントガラスに盛大に映り込む。これは本当に疲れるし、その見づらさ、疲れやすさが事故を誘発する可能性だってある。
廉価なXグレードだからなのかもしれないが、もし1万円くらいのアップで対策できるならやってほしい。アクアは営業車に多く、自分の意志で乗っている人ばかりではない。トヨタには世界一の自動車メーカーとして、もう一息頑張ってほしい。
結論:もしかして、安いのでは
税込みで約250万円に迫る価格を聞くとギョッとしてしまうが、税抜きなら220万ちょっとだ。
15年前にはADASやハイブリッドシステム、サイド&カーテンエアバッグなどはほとんどなかった。その当時なら189万円くらいで買えた車だろう。とすれば大変頑張っている。むしろ安いかもしれない。多くの人に勧められる「国民車」そのものだ。
だからこそ、フロントガラスへの盛大な映り込みはなんとかしてほしい。なぜなら、アクアは営業車での採用も多く「乗らざるを得ない」人がかなりいる車だからだ。
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